片翼を君にあげる②
***
「!……ミライさん!
良かった、来て下さったんですね!」
夢の配達人隠れ家の医療施設。
医務室の扉を開けると、ヒナちゃんが居た。健康診断開始時間はもうとっくに何時間も過ぎていて、呆れていたり、怒っていて当たり前なのに、僕を見てパァッと花が咲くように微笑ってくれる。
ごめんねーー。
彼女の気持ちには気付いていた。
明るくて、可愛くて、本当に良い子で……。君を好きになれたら、どれだけ良かっただろう。
でも、ダメだった。
そして更に、僕は君に酷い事をする。
「今すぐホノカさんを呼んできますね!ちょっと待ってて下さーー……」
「ーーヒナちゃん」
「っ……ーー!」
小さく、細い身体。
包み込むように、僕はヒナちゃんを背後から抱き締めた。
「ミ、ミライさ……」
「お願いがあるんだ」
「え、っ?」
「君にしか頼めない。
聞いてくれたら……。僕も、ヒナちゃんが欲しいものなんでもあげる」
悪魔のように、囁いた。
悪魔が天使への恋を続ける為には、こうするしかなかった。
「!……ミライさん!
良かった、来て下さったんですね!」
夢の配達人隠れ家の医療施設。
医務室の扉を開けると、ヒナちゃんが居た。健康診断開始時間はもうとっくに何時間も過ぎていて、呆れていたり、怒っていて当たり前なのに、僕を見てパァッと花が咲くように微笑ってくれる。
ごめんねーー。
彼女の気持ちには気付いていた。
明るくて、可愛くて、本当に良い子で……。君を好きになれたら、どれだけ良かっただろう。
でも、ダメだった。
そして更に、僕は君に酷い事をする。
「今すぐホノカさんを呼んできますね!ちょっと待ってて下さーー……」
「ーーヒナちゃん」
「っ……ーー!」
小さく、細い身体。
包み込むように、僕はヒナちゃんを背後から抱き締めた。
「ミ、ミライさ……」
「お願いがあるんだ」
「え、っ?」
「君にしか頼めない。
聞いてくれたら……。僕も、ヒナちゃんが欲しいものなんでもあげる」
悪魔のように、囁いた。
悪魔が天使への恋を続ける為には、こうするしかなかった。