僕が愛した歌姫
☆☆☆

帰りがけ俺は立ち止まって振り向いた。


3階にから空中に浮くようにかかっている渡り廊下。


その真下に、見たことのない花が咲いていた。


「こんな所にあったっけ……」


何度か行き来した事のある場所なのに、こんなに大きな花が咲いていた記憶がない。


天へ向けて大きく葉を広げ、ピンク色に咲いた花。


それを見ていると、突然涙が出てきて止まらなくなったのだった――。
< 112 / 187 >

この作品をシェア

pagetop