僕が愛した歌姫
行け
病棟内に足を踏み入れた俺たちは、周囲を警戒しながら恐る恐るリナの部屋へと近づいていた。
普通の病院のようなつくりでないことはすぐにわかる。
入ってすぐにある待合室はなく、変わりに真っ白な壁と悪臭と呼べるものが俺たちを待ち受けていた。
これが薬品の匂いで、リナが毎日これを飲んでいるのかと思うとひどく胸が痛んだ。
「マスクでも付けてくりゃよかった」
ヒロシがそう呟くほど、ヒドイにおいだ。
壁と一緒で白いドアには《実験室》とかかれたプレートが掛かっていて、リナの部屋に行くまでにA~Jまでの10の部屋があった。
しかし、どの部屋にも廊下へ面した窓がなく、中を確認する事はできなかった。
「誰もいねぇじゃん」
簡単に部屋まで行き着くと、ヒロシはホッとしたようにそう言った。
普通の病院のようなつくりでないことはすぐにわかる。
入ってすぐにある待合室はなく、変わりに真っ白な壁と悪臭と呼べるものが俺たちを待ち受けていた。
これが薬品の匂いで、リナが毎日これを飲んでいるのかと思うとひどく胸が痛んだ。
「マスクでも付けてくりゃよかった」
ヒロシがそう呟くほど、ヒドイにおいだ。
壁と一緒で白いドアには《実験室》とかかれたプレートが掛かっていて、リナの部屋に行くまでにA~Jまでの10の部屋があった。
しかし、どの部屋にも廊下へ面した窓がなく、中を確認する事はできなかった。
「誰もいねぇじゃん」
簡単に部屋まで行き着くと、ヒロシはホッとしたようにそう言った。