僕が愛した歌姫
こうして2人で話すことだって何度目かなのに、たった一枚のフェンスがないだけて距離は一気に近づく。


バカな冗談を言い合ったり、クウナちゃんの話しやヒロシの話しをしたり。


「そういえば俺、一番最初リナのこと幽霊だと勘違いしたんだ」


「えぇ? なにそれ」


「だって、あんな夜中にか細い声で『誰?』って聞こえてくるんだもん、普通怖いって」


「失礼ね!」


笑いあいながも、リナも俺が幽霊だと思っていたことを教えてもらった。


2人とも勘違いして怖がっていたと思うと、おかしかった。


「俺たちのキスシーンが雑誌に載ったことがあるんだ」


「え? 嘘!?」


「本当。霧夜さんが写真撮って送ったんだよ」
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