僕が愛した歌姫
☆☆☆

「いつまで寝てんだよ」


その声と同時に頭に痛みを感じて俺は目を覚ました。


目を開けた途端、窓からの眩しい日差しを直視してしまい、顔をしかめる。


「おぉ……」


窓とは逆側にはムッとして不機嫌そうなヒロシの顔があった。


「ほらよ」


手に提げている袋を俺の上にドンッと置く。


「夜中にいきなり電話して来て『リナのCD買ってこい』は、ねぇんじゃねぇの?」


そう言いながらいつもの椅子に座るヒロシ。


「まぁ気にすんなって」


俺は適当にあしらいながら袋の中身を物色する。


数種類のお菓子とジュースに、CD屋の袋が入っていた。


これこれ。


これがほしかったんだ。
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