僕が愛した歌姫
ニヤケそうになる顔をおさえつつ、CDを取り出す。


「デビューアルバムじゃん」


「それが1番売れてるらしいから」


ナイスチョイス。


数あるリナのCDの中から1番人気のアルバム。


これなら俺でも何度か聞いた事のある曲が入っているから、すぐに覚える事が出来そうだ。


「ってかお前、いつからリナのファンなんだっけ?」


「産まれた時から」


そう返事をして、あらかじめ持ってきていたCDレコーダーを取り出す。


「俺これから音楽鑑賞だから、お前ちょっと黙ってろな」


ヒロシにそう言って、俺はイヤフォンをつけたのだった。
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