僕が愛した歌姫
「はなっから冗談なんて言ってねぇぞ俺は」


「そ、そうですか」


巻き舌で威嚇されても、実験台とか急にそんな事を言われても信じられるワケがない。


「じゃぁ……その、実験台という事の詳細を教えてくださいよ」


「いいだろう。まぁ座れや」


促されて、俺はお兄さんの横に小さくなって座る。


もちろん、コンクリートの上にだ。


お兄さんはあぐらをかいて、俺はケガをしている事もあり両足を伸ばした状態で。


「まず、この病院がうちの親のものだって事は知ってるか?」


そう聞かれて俺は大きく左右に首を振った。


ってか、リナパパが病院持ってるってヒロ情報正しかったんだな。


「まぁ、世間で知られてるのはもう1つの病院の方だからな」


「2つも病院を持ってるんですか?」
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