精霊王の娘
「リリエナを泣かしぇた悪い人間たちはぁ、しっかり反省させりゅべきなのですー!」

「「「おー!」」」

「ということでぇ、ただいまからぁー、多数決をとりまーす。人間たちを困らせるのに賛成の人ぉー」

「「「はーい」」」

毛玉たちが次々にぴしっと前足や翼をあげていく。

「人間たちはー、反省すればいいと思っている人ぉー」

「「「はーい」」」

また次々に手が上がる。

エンリーは満足して、うむと頷いた。

「満場一致によりぃー、我々は本日かりゃ、リリエナにひどいことをした人間たちへの仕返しをすことにすりゅのですー」

「「「おー」」」

「リリエナのためぇ」

「「「おー」」」

「リリエナを追い出した人間に仕返しをー」

「「「おー!」」

「えんじーん!」

「「「おー?」」」

「えいえい」

「「「おー?」」」

いつの間にか隊員たちは、小声でと言った自分たちの誓いを忘れて騒ぎ出す。

一致団結した隊員たちはすっかり盛り上がり、作戦会議と称した飲めや歌えやの大騒ぎをはじめて――



「うぅん、……うるさぁーい……」

リビングの隣の寝室で眠っていたリリエナは、ベッドの中でむーっと眉を寄せた。



    ☆



この世界は、精霊に守られている。

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