精霊王の娘
精霊には、下級精霊、中級精霊、上級精霊、そして空に浮かぶ島『世界樹の島』に住む大精霊がいて、大精霊の中に、風、火、水、土、光、闇の属性に対して一人ずつ、精霊王と呼ばれるそれぞれの属性の精霊を束ねる王が存在しているという。

あの日「家族」になった風の下級精霊エンリーの話では、今の精霊王の名ははぞれぞれ、

風の精霊王フィラトルエーダ

火の精霊王ヴァライデン

水の精霊王エドレスリュイナー

土の精霊王ノーマエゼル

光の精霊王シュトラデル

闇の精霊王キュリアーネ

と言うそうだ。

大精霊以上の精霊は、その影響が大きすぎるために、滅多に地上へ降りてくることはないという。

たまに降りてくるときも、その膨大すぎる魔力を魔石に変えて封印し、地上に影響が少ない姿で降りてこなくてはならない。

そのため、大精霊はそうそう地上へは降りてこないが、ごくまれに、気まぐれで降りてきた大精霊が人間に力を貸して、その大いなる力で人間を助けたという話が残っている。

リリエナが暮らしているディルバルグ国も、そんな大精霊の爪痕が残る国だ。

「にゃにか思い出さにゃいですか?」

ここまで教えてくれたエンリーがそう言って首を傾げたが、リリエナにはどうして彼がそんなことを訊ねるのかがわからなかった。

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