精霊王の娘
ゴルゴドは五十をいくらかすぎたひょろりとした小さな男だ。凹凸の少ない顔に、生え際がだいぶ後退している頭。それを隠すように、黒だかグレーだかわからない色の髪を整髪剤で撫でつけている。
少女はすっと視線を落とした。瞬きをした拍子に、大きな金色の目から、涙の粒が零れ落ちる。
ゴルゴドの背後で、小さく空気が揺れる気配がした。
何もなかった空間に、突如として現れたのは、栗色の毛に赤い縞模様の入った大きな虎のような生き物だ。それは琥珀色の瞳でじっと少女を見つめている。その丸い瞳がどこか泣きそうにも見えて、少女は不思議に思った。この動物は、ゴルゴドと契約している火の中級精霊だ。
少女はすっと視線を落とした。瞬きをした拍子に、大きな金色の目から、涙の粒が零れ落ちる。
ゴルゴドの背後で、小さく空気が揺れる気配がした。
何もなかった空間に、突如として現れたのは、栗色の毛に赤い縞模様の入った大きな虎のような生き物だ。それは琥珀色の瞳でじっと少女を見つめている。その丸い瞳がどこか泣きそうにも見えて、少女は不思議に思った。この動物は、ゴルゴドと契約している火の中級精霊だ。