玉響なる風は鳴る
そう言う話をしていると、風音は目を覚ましたのか「……何の話をしてるの?」と葉月たちを見つめている。

「風音……大丈夫?」

「うん……霊力を使いすぎたせいか、そこまで動けないけど……ね」

「……じゃあ、風音が目を覚ましたから話そうかな」

颯はそう言って、風音を見つめた。風音は、颯と目を合わせると首を傾げる。

葉月は、さっきの出来事を風音に簡単に伝えた。

「……風音が目を覚ましてから、真実を話すように志奈に言われてね……風音にとっては、受け入れがたい事実であり……でも、いつかは知らなければいけない事実だ」

颯はそう言いながら、大きな木の幹にもたれかかる。そして、風音をまっすぐに見つめた。

「……単刀直入に言う。風音、君は……僕の妹である志奈の生まれ変わりであり、神様だ……今から話すのは、まだ風音のおじいちゃん……千風が10代だった時の話だ」

そう言って、颯は過去を話し始めた。
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