玉響なる風は鳴る
「……ねぇ、僕が神様だって話……嘘だよね?」

「本当だよ。普通の人間とは、気配が全く違うからねぇ……紛れもなく、風音は神様なのだよ」

「……信じないよ、僕は……」

震えた声で、風音は呟く。その声は小さかったものの、颯の耳にははっきりと届いていた。

「……じゃあ!僕が神様だって言う証拠はあるの!?」

「……風を操る力は風神にしか扱えないんだ」

「信じない。信じたくない……僕が神様……?嘘だ……!」

そう言うと、風音は走り出す。葉月は「風音……!」と風音を追いかけようとするが、それを真冬は止めた。

「……困ったな……初めて颯さんから真実を聞いた時、こうなることは薄々分かってたんだけど……」

風音の母親の言葉に、皆は何も言えなくなった。
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