今夜もあなたと月、見ます。


ガチャ


…え

扉の開いた音がしたと思った瞬間

「…え」

「…」


まさかまさかのこのタイミングで帰宅した叔父さんと目が合う

姿見の前ではしゃいでいた私は頭の整理が追いつかずただ呆然と口を開く


「…た、だいま」

「お、帰りなさい」


「…」

「…」


穴を掘って入っても良いですか?

今すぐに消えて無くなっても良いですかね


段々と状況整理が追いついてきてかあっと顔が赤くなる

「え…と、あの、これはその…新しい服を買ったので…か、確認しようと」

聞かれてもない言い訳を話し始める

「…その服を買ったのか…?」

「…はい」

おじさんはぽかんとしたまま、私を見据える


に、逃げるか

「えと…じゃあ…夜ご飯の準備するのでまた…」

そーっと向きを変えて部屋に戻ろうとする

しかし


「その服」



おじさんの声に硬直する

「肩に穴空いてるけど、破けたのか?」


・・・は?
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