今夜もあなたと月、見ます。
「なーに?」
「どこか行くのか?」
あれ言ってなかったっけ
「うん、ちょっと遊園地まで」
「遊園地…その服で行くのか?」
今着てるんだからそうに決まってるでしょうが
なんか…おじさんの目が泳いでいるように見えるのは気のせいだろうか
「そうだよ?」
「そ、そんな人が多いところにそんな服着て行って大丈夫なのか?」
はい?
「露出が多いと変なやつに目をつけられるかもしれないぞ」
はぁ?
「今時こんな服着てる人いっぱいいるよ」
「で、でもお前はほら、だいぶ目を惹くような見た目をしているし、変な男が寄ってきたりしたら」
…あ、もしかして心配してるのかな
おじさんが?
私を…?
「心配なの?」
「えっ…そりゃそうだろう」
え?
おじさんが当然と言わんばかりの表情を向けてくる
「晴みたいな可愛い女の子がそんな格好で歩いてみろ、男どもが黙ってないぞ」
…ぷっ
「おじさん、それは心配しすぎだよ」
私そんなに可愛いわけではないよ
上には上がいる
「だけど…」
んー
なんか構ってほしい大型犬みたいにしゅんとしてる
「1人で行くわけじゃないから大丈夫だよ」
おそらく私よりも私の隣を歩くであろう響紀さんの方に目が行くと思う
すんごい綺麗だからあの人