今夜もあなたと月、見ます。


「あの、御用はなんでしょうか」

「えー?わかんない?」



逆になんでわかるの?

何も説明してないよね


あ、もしかして

「道が分からないとかですか?」

「えーまじかー察してくれると思ったのにー」

は?


「いやいいじゃんそういうことで」



ずっと黙っていたもう片方の黒髪の男の人がそう呟いた

どゆこと?


「そうそう、俺ら道に迷っちゃったの。だからちょっと教えて欲しいんだけど」



「どこに行きたいんですか?」

「君が行くところ」

はあ…

「遊園地ですか?」

「そうそう!そこに行きたいの!だから連れてってくれない?」


えと…

別に構わないんだけど

響紀さんと合流してからでもいいかな

「私も人を待っているので、その人が来てからでもいいですか?」

「まだ時間あるでしょ?先に案内してよー」

「君が僕ら2人を連れてってくれればいいんだよ」


………。

話の通じない人だな

面倒臭い


「あの、だから待ち合わせを…」

「なあ、分かんないかな。君にお願いしてんの」

え…

「ど、どういうことですか」

「だからさぁ」


…何その、気色の悪い色をした目は

なんだかとっても…

気分が悪い…

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