今夜もあなたと月、見ます。


「質問」


どんな質問をしてくるのか

彼女は俺にどれだけ興味があるのか

何が知りたいのか


俺を見て何やら考え事をしている晴がとりあえず可愛くて

もう少しだけでいいから、時間よ
ゆっくり進んでくれ


なんて考えていた矢先

まさかの質問に俺が謎に身構えることになる



「…ひ、響紀さんはどういう女性が好みなんですか?」


………




本人は気づいてないだろうけど、晴は耳まで真っ赤になってる

そんな顔をされてしまえばまだ20にもならない男にはたまったもんじゃない



「…気になるんだ?」

揶揄うように言ってみれば

明らかに動揺して慌てふためく晴


「いや、別にそういうわけでは、ただその、流れ的になんか、別に」

その可愛さに思わず笑うと、ムッとむくれて睨みつけてくる

「ふふ、そんな顔すんなって」


困ったな

なんでこうもかわいいんだろう


「…うーん、そうだな…今まで考えたことなかったからイマイチよくわからないけど…」

少し空を仰いだまま、横目で晴を見る



好みのタイプなんて分からない


でも、晴


君と一緒にいて惚れるななんて無理な話だよ



「晴みたいに、可愛くて、たまにかっこよくて一緒にいて面白い子は、素敵だと思うよ」



お前と出会わなければ

こんな感情

知らなかったのにな

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