今夜もあなたと月、見ます。
三日月
晴side
「…猫だ」
「ヤシャ丸だよ」
え、でも
「嘘と本当と半々だったんだ」
夏休みも明け、少しずつ涼しくなってくる…こともなかったまだ暑い9月
横井くんとの帰り道で塀の上を歩く野良猫が横井くんに擦り寄ってきたのだ
夏休み前、顔に傷を作っていた横井くん
猫にやられたのだと言っていたけど
実は風組の一員だった彼だから、喧嘩でできたものだと思っていた
猫の存在も架空のものだと思っていたものだから驚いた
「傷ができたのは喧嘩だけど、ヤシャ丸はちゃんといるよ」
「野良猫」
「うん、可愛いでしょ?」
茶色と白の三毛猫
目の色が透き通った緑色をしていて可愛らしい
「なんか懐かれちゃって」
困ったように笑う横井くんの手に顔を擦り付けるヤシャ丸さん
撫でろと急かされて、はいはいと手を動かす横井くん
「ふふ、なんだかわかる気がする」
その様子を見て思わず笑いがこぼれる
「何が?」
「ヤシャ丸さんが懐く理由」
横井くんって一緒にいるとなんだか落ち着く
実家のような安心かというか
「うまく言えないんだけどね」
「…猫だ」
「ヤシャ丸だよ」
え、でも
「嘘と本当と半々だったんだ」
夏休みも明け、少しずつ涼しくなってくる…こともなかったまだ暑い9月
横井くんとの帰り道で塀の上を歩く野良猫が横井くんに擦り寄ってきたのだ
夏休み前、顔に傷を作っていた横井くん
猫にやられたのだと言っていたけど
実は風組の一員だった彼だから、喧嘩でできたものだと思っていた
猫の存在も架空のものだと思っていたものだから驚いた
「傷ができたのは喧嘩だけど、ヤシャ丸はちゃんといるよ」
「野良猫」
「うん、可愛いでしょ?」
茶色と白の三毛猫
目の色が透き通った緑色をしていて可愛らしい
「なんか懐かれちゃって」
困ったように笑う横井くんの手に顔を擦り付けるヤシャ丸さん
撫でろと急かされて、はいはいと手を動かす横井くん
「ふふ、なんだかわかる気がする」
その様子を見て思わず笑いがこぼれる
「何が?」
「ヤシャ丸さんが懐く理由」
横井くんって一緒にいるとなんだか落ち着く
実家のような安心かというか
「うまく言えないんだけどね」