今夜もあなたと月、見ます。



「やあこんにちは」



「こ、こんにちは」

「…」

挨拶を返す私と黙ったままの横井くん

警戒?のような目つきをしている


知り合い?

「横井くん?どうしたの?」

「…なんでここに」



「嫌だなぁ俺だって普通に出歩くよ、引きこもりじゃあるまい」


待って…なに?なんなの?

なんで横井くんはそんな怖い顔してるの?

誰なのこの人は

なんだかこの空気気持ち悪いよ



「慎一郎が可愛い子と歩いてるの見つけたからさ」

慎一郎…って横井くんの名前だよね

「まみ…彼女は無関係です」


横井くんが私に向き直って小声で言う

「間宮、ごめんけど先帰って」

「う、ん」


私が首を突っ込むのは良くなさそうだ

さっさと退散しよう


「まあ待てよ」


え?

さあ帰ろうと一歩踏み出すよりも前にそんな声に止められる


黒い服の男がニタリと笑っていた


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