今夜もあなたと月、見ます。
「へえ純情そうだけど…どうやって知り合ったの?」
えーと
「ここにいるってことは響紀の正体は知ってるんだ」
えと…
「あ、名前なんて言うの?」
ひ、ひぃ
ずいと距離を詰められて思わず後ずさる
すると
「おい、檜山」
!
後ろから私の肩に誰かの手が乗り、そのまま後ろに引かれた
バランスを崩して誰かの胸にもたれかかる
「お、響紀」
カフェオレェェ!
慌てて体を起こそうとしてもそのまま肩を掴まれているので動けない
「俺の彼女、手出すなよ」
「やだなーそんなんじゃないよ。ただ名前聞いてただけ」
「怯えてんだろ」
「こんなとこ連れてくるからだよー」
それは、一理ある
「つーか響紀、西の奴らってあの後どうなったの?」
「んー知らん」
「うわー…お前本当残酷だよな」
「喧嘩ふっかけてきたのは向こうだろ」
「にしても、お前やりすぎ」
…何の話だろう
喧嘩?
やっぱそういう系?
「…っと、この話は後にしよ」
私をチラリと見てそう言った
「行こうか、送ってくよ」
にっこりと笑いかける
私は頷くしかないのでとりあえずコクコクと首を振っておく