今夜もあなたと月、見ます。



「どこまで送っていけばいい?家どこらへん?」


何事もなかったかのようにからっと笑う




「駅までお願いします」

「了解」


歯を見せて笑う

暴走族の総長って…もっといかついイメージだったけどな


「しっかり捕まっててね」

「はい」



夜風が髪を揺らす


ほんのり香るミント


広くて硬い背中



忘れられない、特別な夜



間違った生き方…

そう言った彼の背中にそっと、頬をつけた



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