今夜もあなたと月、見ます。


なーんて小馬鹿にしていたらバイクの音が近づいてきて、すぐ近くで止まりーの

まさかの暴走族さん達がご来店ってわけ


まあ普通にお買い物していくだけならよかったんだけど、そう平和には行かず…

現在に至るというところです


冷や冷やしながら私を見ている瀧本さん

イライラしながら私を見下ろす柄の悪い男2人


「なあ店員さーん。さっさとしてくんないかなぁ。イライラしてんだわ俺達」
「身分証なんて持ってねぇんだって、大目に見ろや」


こ、怖い

どうしよう

マニュアル通りやらなきゃいけない

だけど怖い

だけど売っちゃダメだ


うそでしょ…

暴走族ってこんなに怖いの?

厨二病の延長じゃないの?

こんなのただのヤクザじゃん!


「も、申し訳ありません…ご、ご了承願います」


だけどここで恐怖に流されるわけにはいかない

私は店員なんだもの

責任を持って仕事をしなければならない

そういう契約の元で働いているのだから


「チッ」


びく

あまりにも大きい舌打ちに肩を揺らす

しかし怯んではいけない…

なるべく平然を装って立ち続ける


「なあ店員さーん?ま、み、や?って言うの?」


私の名札を見てだるそうにそう呟く


「俺たち暇じゃないんだわ。だからさっさと…」


っっ

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