今夜もあなたと月、見ます。
「す、すみません!道枝さんっ」
「すぐ退きます!」
…え
2人は高身長の男を見ると、人が変わったかのように慌ててその場を退いた
買い物はよかったのかな
まあ身分証持ってないんじゃ買えないからいいか
それにしてもなんだ
さっきまでの威勢はどこに行った
「店員さーん?」
!
ぬぼーっとしてたら高身長の男が覗き込んできた
思わずハッとする
「も、申し訳ありません!」
「いいえ〜。ってかこっちこそ」
へ?
「あの2人、ご迷惑おかけしたようで」
あ、ああ
「いえ…」
な、なんだろう
この人
すごいなんか…なんかすごい(語彙力の欠乏)
なんて言えばいいんだろう、えっと
不思議な魅力がある
瞳の色が薄くて、グレーみたいになってる
白い肌に黒い髪の毛にグレーの瞳
何を考えているのか一切わからない切長の鋭い目と高い鼻
うまく言葉にできないけど…
例えるなら…えっと…そう
月みたいな人?
いや、月っていうか…だから、とにかく
夜が、似合う人