今夜もあなたと月、見ます。
……え
またここですか
有無を言う間もなく、響紀さんのバイクに乗って連れてこられたのは道組の本部とやら
この前来た場所だ
「なんでここ」
「見せたいものがあって」
「そうですか…」
「ここ嫌い?」
「好きではないです」
「正直だね」
にっと笑う響紀さん
見せたいものってなんだ
ここじゃないとダメなのか
「まだ彼女宣言有効だから大丈夫だよ」
「はあ…」
あからさまに気の乗らない顔をしているであろう私を覗き込んでくすりと笑う
「まあそんな顔しないで」
そう言われてもなぁ
「いいものだから」
…うーん