今夜もあなたと月、見ます。


駆け足で去っていった髭ピアス男を睨みつける

「何言ってるんですか!」

「あれが一番人払いに効くし」

そ、そうかもしれないけど…

赤くなった顔を隠すように不自然に横を向く

その様子を見て悟ったのか、視界の端で響紀さんがニヤッと笑った気がした


「本当にしとく?"お楽しみ"」



「殴りますよ!?」

「あっはは!ゆでダコみたいだよ晴」

ムウウウウ!!

「ごめんごめん」

ケラケラ笑っている響紀さんを力一杯睨みつけた

「怖い顔しないで〜」

「からかわないでください!」


我ながら…暴走族のお頭に殴ると言えるのはすごいな

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