今夜もあなたと月、見ます。
私を産んでお母さんが亡くなったこと
そのお母さんの弟である叔父さんと暮らしていること
お父さんが小学生の頃に亡くなったこと
叔父さんとの距離感や
早く自立したくてバイトをしていることや
愛だのなんだのを、知らないことや…
思ったよりもツラツラと話せた
響紀さんは静かに、たまに頷きながら聴いてくれた
「…でも別に、今の生活が嫌いってわけじゃないんですよ」
まあ、これ以外の生活を知らないからかもしれないけど
それを言い出したらキリがない
「ただまあ…うん、そんな感じです」
何か言い足りないけど、特に言うことが出てこなかった時の呟き
「そうか…」
可哀想って言うかな
同情されるかな
そんなことないよって言われるかな
誰に話してもそうだった
可哀想だとか、ひどいねとか
私がひねくれていなければ、素直に受け止められたであろう優しい言葉
もう、飽きるほど聞いたけれど…