今夜もあなたと月、見ます。
………
晴さん…賢者タイム入ります…
あれから謎に号泣してしまい、どれくらい時間が経ったでしょう
私は羞恥心で死にそうです
泣いてしまった
響紀さんの前で
声を荒げてだらしなく、可愛げなく泣いてしまった
「落ち着いた?」
屋上のベンチに座らされていた私に、下から温かい飲み物を持ってきてくれた響紀さん
「…落ち着きました。大変お見苦しいものを失礼しました」
「あはは、気にすんなよ」
「忘れてください」
「いやでーす」
なっ!
「忘れてください!」
「多分無理です」
ぴええええん!
赤い顔を必死で隠していると、響紀さんの手がまた頭に乗る
「いいんだよ、泣いたって。晴みたいな子は特に。こういう機会でもないと一生泣かなかっただろ」
…それは、そうかもしれない
「俺的にはちょっと嬉しいよ」
?
「晴が全部曝け出してくれたみたいで。なんかちょっと特別な感じする」
特別…か
そうだよ
間違いなく、あなたは私にとって特別な人です
あの言葉も
きっと響紀さんが言ってくれたから…私の中の何かが溢れてしまったんだ
響紀さんだったから
もちろん、言わないけど