今夜もあなたと月、見ます。
はぁ
少しの時間が経ち
沈黙を破ったのは私のため息だった
「なんか人に話してスッキリしました」
「そっか」
「今度は響紀さんの番ですよ」
「えー」
何質問しよっかな
聞きたいこと、知りたいこと
たくさんある
だけどやっぱり
「…なんで道組の総長になったんですか?」
私、疑問は最初の方に無くしておきたいタイプなの
後でモヤモヤするの嫌だから
響紀さんのことを知る上で、この質問は避けては通れない
ならば、今
私に教えて欲しい
「…俺に遠慮なくその質問できるのって、多分後にも先にも晴くらいだと思うよ」
「私もそう思います」
「ふふいいよ。教えてあげるよ。晴のことを教えてもらった代わりに、俺のことも」
…うん