今夜もあなたと月、見ます。


はぁ


少しの時間が経ち

沈黙を破ったのは私のため息だった

「なんか人に話してスッキリしました」

「そっか」

「今度は響紀さんの番ですよ」

「えー」


何質問しよっかな

聞きたいこと、知りたいこと

たくさんある

だけどやっぱり


「…なんで道組の総長になったんですか?」


私、疑問は最初の方に無くしておきたいタイプなの

後でモヤモヤするの嫌だから

響紀さんのことを知る上で、この質問は避けては通れない

ならば、今

私に教えて欲しい


「…俺に遠慮なくその質問できるのって、多分後にも先にも晴くらいだと思うよ」

「私もそう思います」

「ふふいいよ。教えてあげるよ。晴のことを教えてもらった代わりに、俺のことも」


…うん

< 93 / 177 >

この作品をシェア

pagetop