今夜もあなたと月、見ます。
でも、確かに意外だった
何か大きな出来事がきっかけになったというわけでもなく
ただ、響紀さんに喧嘩の才能があり、偶然が偶然を呼び、今の場所にたどり着いた
まあ、ロマンチストは偶然を運命と表現するからなんとも言えないけどね
「でも道組の皆さんって…すごい響紀さんのことを尊敬してるって感じしますよ」
ただ集まっただけの人には見えない、気がする
「そんなことないよ。多分尊敬じゃなくて俺からの威圧だ。今この道組にいる連中は大して俺に興味があるわけでもないさ。ただ強いから、強い後ろ盾ができるからここにいる。
俺の前に現れる人間は基本的に俺を憎んでるか、ビビってるかのどっちかだよ。俺みたいな中途半端な人間はどうせろくでもない印象しかもたれない」
…ろくでもない印象?
「がっかりだろ?巷で噂の暴走族のお頭は、存外ろくでもない人間だったんだ」