今夜もあなたと月、見ます。




「いいんじゃないですか?別に」


「…え?」

不意に口を開いた私に素っ頓狂な顔を向ける響紀さん


「ろくでもない印象でも、別にいいんじゃないですか?」

会う人会う人全員に、いい印象を与える必要なんてない

人間そんな器用じゃないもの

対する人によって自分を変えるなんてハードなことはできない


「こーんな世の中ろくでもない人間ばっかですよ。人間ってなんやかんや言ってもやっぱり自己中な生き物ですから」

私はそう思う

「会う人会う人に良い印象を持ってもらう必要なんてないんじゃないですか?周りばっかり気にしてると息が詰まっちゃいますから」


他人の評価なんて気にすることない

そうは言ってもそれが簡単なことではないことはわかっている

でもろくでもないなりに、今にしがみついて生きてるんだ

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