聖夜に身ごもったら、冷徹御曹司が溺甘な旦那様になりました
困惑しきりの玲奈の前で、彼はこらえきれないというように肩を震わせて笑い出す。そこでようやく、玲奈は彼の言動の意味を理解した。ようするに、からかわれたのだ。腹立たしいが、それを認めるのも悔しい。
十弥は苦笑混じりに言った。
「女性秘書を避けてきた理由がそれだ。女性の能力を侮っているつもりはない」
「……なるほど」
説得力のある理由だった。御曹司をゲットしようという積極的な女性でなくても、彼のそばにいたら恋に落ちてしまうかもしれない。彼にはそれだけの引力がたしかにある。
玲奈は自身の頬を軽く叩いて、気を引き締めた。
(絶対に副社長に惚れないこと。これも私に課せられたミッションのひとつね)
玲奈はネクタイケースのガラスの蓋を開けて、なかから一本を取り出した。少し背伸びをして十弥の胸元にそれをあてがい、にっこりとほほえんだ。
「鮮やかな赤。エネルギッシュでセクシー、もっとも副社長らしい色だと思います」
十弥は驚いたように目を見開き、くすりと笑みをこぼした。
「残念、すぐに秘書の顔に戻ったな」
十弥は苦笑混じりに言った。
「女性秘書を避けてきた理由がそれだ。女性の能力を侮っているつもりはない」
「……なるほど」
説得力のある理由だった。御曹司をゲットしようという積極的な女性でなくても、彼のそばにいたら恋に落ちてしまうかもしれない。彼にはそれだけの引力がたしかにある。
玲奈は自身の頬を軽く叩いて、気を引き締めた。
(絶対に副社長に惚れないこと。これも私に課せられたミッションのひとつね)
玲奈はネクタイケースのガラスの蓋を開けて、なかから一本を取り出した。少し背伸びをして十弥の胸元にそれをあてがい、にっこりとほほえんだ。
「鮮やかな赤。エネルギッシュでセクシー、もっとも副社長らしい色だと思います」
十弥は驚いたように目を見開き、くすりと笑みをこぼした。
「残念、すぐに秘書の顔に戻ったな」