契約結婚は月に愛を囁く
すると、そこにいたのは天使。
いや、天使と間違えるくらいの清純さと儚さを持つ聖女かもしれない。
綺麗な長い髪と控えめに立つ姿勢。 ドレスは決して豪華ではないが、似合うデザインが何かをよく知っているようだ。
そして、麗しい瞳の中に宿る炎と熱情。
俺は一瞬で恋に堕ちた。
『綺麗だ』
目を奪われるとはこんな感情なのか。
身体の奥から沸き上がる熱い感情に満たされるのを感じた。
俺は彼女に声を掛ける事にした。
彼女の名はアイリス・キャンベル。
この王宮で開かれるパーティーには初めて招待されたのだと言う。
『あの、もしかして……?』
彼女の父上はさっきまで観察していた、あの成り上がり男だったのだ。
俺は神に感謝した。
あの、成り上がり男にも。
今日もしも彼女に出会えていなかったら、いつかどこかの男と恋に落ちるか、或いは縁談が来て婚約者になるかもしれないのだ。
そう思ったら、俺の取る行動は一つしかない。
そんな俺の思惑を知ってか知らずか、彼女が言った。
『あちらにいらっしゃる方はどなたですか?』
いや、天使と間違えるくらいの清純さと儚さを持つ聖女かもしれない。
綺麗な長い髪と控えめに立つ姿勢。 ドレスは決して豪華ではないが、似合うデザインが何かをよく知っているようだ。
そして、麗しい瞳の中に宿る炎と熱情。
俺は一瞬で恋に堕ちた。
『綺麗だ』
目を奪われるとはこんな感情なのか。
身体の奥から沸き上がる熱い感情に満たされるのを感じた。
俺は彼女に声を掛ける事にした。
彼女の名はアイリス・キャンベル。
この王宮で開かれるパーティーには初めて招待されたのだと言う。
『あの、もしかして……?』
彼女の父上はさっきまで観察していた、あの成り上がり男だったのだ。
俺は神に感謝した。
あの、成り上がり男にも。
今日もしも彼女に出会えていなかったら、いつかどこかの男と恋に落ちるか、或いは縁談が来て婚約者になるかもしれないのだ。
そう思ったら、俺の取る行動は一つしかない。
そんな俺の思惑を知ってか知らずか、彼女が言った。
『あちらにいらっしゃる方はどなたですか?』