Diary ~あなたに会いたい~
 これは、弓月が書いたものだろう。
 僕と出会った頃のことが綴られている。
 少し丸みのある柔らかな文字は見慣れた
筆跡で、文章の最後にいくつか記されて
いる暗号のような数字は、何の事だかわか
らなかった。

 「こっちは、ゆづるが書いたものだ」

 やや固い声がして僕は隣のページに目を移した。
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