だいきらいなアイツと再会してしまった
「ねえ」
無視かい。
「ちょっと」
道路の傍らに停まっていた――アイツを迎えに来たであろう車に乗らず、暗く細い路地裏を歩き進んで行く。
「あれに乗るんじゃないの?」
もちろん、わたしは歩くけど。
赤星くんは、車で移動する人でしょ?
「……っ、痛」
手首をつかまれ、グイグイ引っ張られる。
「なにする、の」
なんでそんな不機嫌なの。
わたしが、なにをした?
もしかしてマナー悪かった?
それでもこんなのって……
「はなし――」
「うるさい」