だいきらいなアイツと再会してしまった



「お嬢さん」

「……っ」



ポン、と後ろから誰かに肩をたたかれる。


「こんなとこで何してるの」

「……!」

「もしかして、あれがキミの王子?」



声をかけてきたのは、



「たしかにウワサ通りの美形だけど。おやおや? 他校の女子といるみたいだねえ」



鮎川さんだった。



「浮気現場かな」

「な……」

「オオフクちゃんというものがありながら」

「ちょ、ちょっときて!」



鮎川さんを引っ張り、本棚の奥に身を潜める。



「強引だねー」

「ごめん。つい。見つかったら面倒だから……」

「こういうのも悪くないけど」

「へ?」

「誘い受け」



なにを言ってるかわかんないけど、たぶん、ちがうと思う。



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