だいきらいなアイツと再会してしまった


――――無駄じゃ、ない。



今なら描けそうな気がする。



「やりたい」



本当はずっとどこかで

昔、自分が好きだったものを

思い出したかった。


それに


他に、なにも考えたくない。


なにかに夢中になっていたい。



余計な心は全部消えてしまえばいいのに。



「なんだか顔色悪いよ」

「え?」

「なんかあった?」



……なんでだろう。



「ごめん。いきなりたくさん喋って疲れたよね」

「そんなこと……」

「今日はゆっくり休んで」


胸が、ざわつく。


考えてしまうのはアイツのことばかり。



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