だいきらいなアイツと再会してしまった
さわやかくんが、目を細め、こっちをじっと見つめてくる。
なにを考えてるか全然わからない。
「じゃあ。きみは、なにが欲しいの?」
「……わたし?」
「無欲な人間なんて。いないでしょ」
わたしがほしいもの?
わたしが今いちばん必要なものは……
「ど……どこでもドア、かな」
アイツからの逃げ道。
「ははっ」
ま、また笑われてしまった!
「それは僕も欲しい」
「あなたも?」
「時短になるし。交通費もかなり浮いて。会いたい人にだって、すぐに会いに行ける」