だいきらいなアイツと再会してしまった
ちっちゃな子供扱いされてそうで、やだなあ。
「気を付けてね」
結局レイくんは、駅まで送ってくれた。
さっきいた場所から歩いて2、3分だった。
な……なんかもう。
恥ずかしすぎて。
「そうだ。これ、よかったら」
「へ」
紙切れを渡され、反射的に受けとる。
なになに。
どうやらお食事券的なものらしい。
んんっ?
お好きなデザートにドリンクのセット!?
「甘いもの好きだよね」
「すき!」
「それ、うちの店で使えるやつ」
……もらっても、いいの?
「といっても。期限が近いんだけど」
そう言われて有効期限を確認すると、二週間後までだった。
「使わないなら捨てていいよ」
「えっ」
「欲しがる友達いたらあげてもいいし。じゃーね」
「う、あ……アルバイト、頑張ってね!」
去り行くレイくんの
キラキラした背中を見つめるわたしは
「……天使かな」
その瞬間だけは
あの悪魔のことを忘れられるくらい
なんだか穏やかな気持ちになれたんだ。