だいきらいなアイツと再会してしまった


背がすらりと高くて、細くて

スポーツ推薦で入学したのに勉強もトップクラスにできちゃうんだから完璧すぎる。



「ハイハイ。散った散った」



鮎川さんの掛け声で女の子たちが席へと戻っていく。



課題、渡さずに済んだ。


ホッと胸を撫で下ろしたとき、鮎川さんと目が合う。



「ありが、とう」

「どういたしまして」



にっこり微笑んでくれる。


カッコいいしキレイだし優しい……。


神様なのかな。



ちゃんと話したのは、これが初めて。



「知ってるよ」

「……?」



鮎川さんのキラキラスマイルが、なんだか不敵な笑みへと変化する。



知ってる――って、なにを?



「副委員長ちゃんて」

「っ」


鮎川さんの綺麗な顔が近づいてきて


そっと、耳打ちされる。



「勉強苦手っしょ」


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