だいきらいなアイツと再会してしまった
「あ、赤星くん。さすがに……そんなに前から予約の入ってる席に強引に割り込むなんて……」
というか、冷静に考えるとさ。
最上階で予約必須ってことはさ。
特別な日に使いそうじゃん。
それこそプロポーズとか……
そこまでじゃなくても、誕生日とか結婚記念日みたいな。
赤星くんが使うのおかしいよ。
それもわたしとなんて絶対にへん!
「オマエは黙ってろ」
黙っていられない!
「今すぐ通せ」
「申し訳ありません。……お客様の信頼を失うわけには」
当たり前でしょ。
今日を楽しみにしてた人たちの気持ちも考えて。
「信頼もなにも。俺の機嫌を損ねれば明日には客一人呼べなくなっているだろうな」
なにそれ……。
まさか、脅してるの?
「一生この仕事ができなくなってもいいのか」
あったまきた……!
「ちょっと!」
わたしには難しいことは、わからない。
頭もよくない。
でもね。
「ルールも守れない人が美味しいもの食べる資格ないでしょ! バカ!」