だいきらいなアイツと再会してしまった


「あ、赤星くん。さすがに……そんなに前から予約の入ってる席に強引に割り込むなんて……」



というか、冷静に考えるとさ。

最上階で予約必須ってことはさ。


特別な日に使いそうじゃん。


それこそプロポーズとか……

そこまでじゃなくても、誕生日とか結婚記念日みたいな。



赤星くんが使うのおかしいよ。



それもわたしとなんて絶対にへん!



「オマエは黙ってろ」



黙っていられない!



「今すぐ通せ」

「申し訳ありません。……お客様の信頼を失うわけには」



当たり前でしょ。

今日を楽しみにしてた人たちの気持ちも考えて。



「信頼もなにも。俺の機嫌を損ねれば明日には客一人呼べなくなっているだろうな」



なにそれ……。

まさか、脅してるの?



「一生この仕事ができなくなってもいいのか」



あったまきた……!



「ちょっと!」



わたしには難しいことは、わからない。

頭もよくない。



でもね。



「ルールも守れない人が美味しいもの食べる資格ないでしょ! バカ!」

< 89 / 428 >

この作品をシェア

pagetop