エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
「中村さん、担当ドクターに送信しといてもらっていい? 俺、医局行くわ」
「あっ、はい。ありがとうございました」
「あぁ、うん……じゃあ、ね」
俺はCT検査室から出ると、放射線科の医局へと向かう。
「お疲れ様です」
「おっ、え!? 小鳥遊? あれ、休みじゃねーの?」
医局に行けば同期の杉浦が話しかけてきた。
「……新本部長に呼ばれたんだよ」
「それは気の毒に。そーいえば、デートだったんじゃ」
俺は何も言わず無言で医局の奥にある休憩室に入った。休憩室に入りコーヒーを淹れると朝、香澄さんにもらったラッピングの袋を取り出す。
リボンを解くと、洋菓子の甘い香りが心地よい。
「いただきます」
甘くて美味しい。本当に美味しい。