エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
◇遊園地デート
「香澄、今日は千晃くんとお出かけだった?」
「うん。遊園地のチケット頂いたから一緒にどうかって」
土曜日、朝。千晃さんは、有給をもらえたとかで今日デートの仕切り直しがしたいとあの日の夜、電話がかかってきた。
『本当に申し訳ありません、香澄さん』
『大丈夫です、お仕事ですし仕方ないです』
『お菓子美味しかったです。あの、今日の埋め合わせというとなんですが……遊園地行きませんか?』
千晃さんが遊園地? と最初は思ったけど、職場の上司さんに頂いたとのことだったので納得できた。
「私、支度してくるね」
私はリビングを出ると自分の部屋に入る。ルームウェアから、昨日選んでおいたオレンジニットとホワイトのマキシスカートへと着替える。
髪をシニヨンアレンジにセットしていると、スマホの着信音がした。スマホの画面には【千晃さん】と表示されていて、一旦深呼吸をして電話マークをスライドさせた。