エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
「じゃあ、乾杯」
グラスを少し持ち上げて私も乾杯のポーズをして一口飲むと、ナイフとフォークを持ち、サーモンから食べ始める。
どれも美味しくて、ほっぺが落ちちゃいそうになる。幸せだなぁ……
デザートまで食べ終わると、いつものようにおしゃべりをしていると「話したいことがある」と真剣な顔で千晃さんは言った。
「……七瀬香澄さん。私は、あなたのことが好きです。結婚前提に付き合っていただけませんか?」
千晃さんにそう言われてドキッと胸が高鳴る。
「出会いはお見合いだったけど、一目惚れしました。香澄さんは初めて、女性とお付き合いしたいと思えた唯一の人です……」
「千晃さん……」
「ただ、恋愛をしたことがないのです。なので、不甲斐ないですが……幸せにします」
なんだか普通にプロポーズみたいな言葉で、驚く。
だけど不甲斐ないことないと思うんだけどなぁ……。
いつも幸せをもらってるんだから。