エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
「……香澄さん? ダメ、ですか?」
「いえ! ダメじゃありません。私こそ、恋愛初めてでご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」
「ほ、本当ですか!?」
「はい、千晃さん。私で良ければよろしくお願いします」
お見合いをして、ひと月ちょっと。
「デザート食べよっか」
初めて、男の人とお付き合いすることになりました。
「はい、食べましょう」
タイミングを見計らったかのようにやってきたデザートを前に私は心躍る。千晃さんの方を見れば目をキラキラさせていて、可愛い。
ミニグラスにさくらんぼゼリーとフランボワーズのムース、その上にフランボワーズの実とミントが飾られていて照明に照らされているからか輝いて見える。
ひとくち、口へ入れるとムースは甘くゼリーは甘酸っぱくてとても美味しかった。
「ごちそうさまでした、千晃さん」
「うん、こちらこそ」
食べ終わり、レストランを出た。
「……手、繋いでもいい?」
「は、はい。お願いします」
千晃さんが差し出した手に私は手を重ねる。すると、千晃さんは指を絡ませて握った。それだけでとてもドキドキして心臓が飛び出しそうだった。