エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
◇家を出ます
「お嬢様、本当に出て行くんですか!?」
「えぇ。そうよ! あんなお父さん知らないわ!」
会社から帰宅した私は、部屋のクローゼットに入れてあるダイヤ柄のパステルピンクベージュ色のキャリーケースを取り出した。
それを開けると上下の服やルームウェア、下着やキャミソールなどを詰め込んだ。
「お嬢様!」
「何? 私、急いでるの!」
私は、キャリーケースを抱えて靴を履き家を出てタクシーに乗った。ここから近い最寄駅へ向かい、駅前のカフェへと入った。
「いらっしゃいませ〜」
カフェの店員さんがいる注文カウンターに向かうと、きなこクリームのソイラテを注文してお金を払った。
「ごゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます」
キャリーケースを運びながら、ドリンクを持ち一人用のテーブル席に座った。