エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。

「……そろそろ、抱きしめたいんだけど」

「……っ……」

「香澄ちゃんのペースに合わせるつもりだったんだけど、無理だ」


　さっきまで“さん”呼びだったのに、“ちゃん”呼びをして私を抱き寄せる。


「……ち、あきさん」

「そんな可愛い顔しないで、本当に耐えられないから」

「……っ」

「今、ギリギリの理性保るの必死なんだから」


　千晃さんはそう私の耳元で囁く。


「千晃さん……の、好きにしてください」

「……何言ってるのか分かってる？」

「っはい。分かってます……私、千晃さんが好きなんです。千晃さんは、私のことお見合い相手としてしか見てくれないんですか」

「そんなはずないだろう？　俺は香澄ちゃんのこと愛してるんだから」


　そう彼は言うと、私の唇に唇を重ねた。


「――んんっ」

「俺のこと煽った香澄ちゃんがいけないんだからね」


　千晃さんは、色っぽい瞳で私を見つめると強引に噛み付くかのように唇が重なった。