エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
◆まさかの出来事。 千晃side
「……寝た、かな」
ベットの上でスヤスヤと寝息を立てて眠っている彼女の髪に触れてキスを落とす。
「ほんと可愛いな」
俺は、ベットから起き上がると寝室を出てリビングに戻った。
スマホの連絡先のページを開くと【七瀬社長】と書かれた文字押しを開き、電話番号が出てきてそれをタップした。
『……はい、もしもし』
「遅くにすみません。小鳥遊千晃です」
『千晃くん……香澄が今日は申し訳なかったね。あんなに行動力のある子だと思わなかったよ』
「ええ、僕も驚きました……運良く見つけられてよかったです」
本当にたまたまだった。
俺が、七瀬社長から香澄ちゃんが家出してしまったとの連絡があったのは退勤してマンションへ帰宅途中だった。
「明日送り届けるので安心してください」
『あー……そのことなんだが、君たちちゃんと交際してるんだよね?』
「はい、先日了解を得ました」
『しばらく、香澄を預かってくれないかな? 折角、家を出たし数日分の服とかはあるんだし……だめかな』
だめかな、って。
俺には拒否権ないじゃないですか。