エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
◇婚前同居の始まりです!
朝目が覚めると知らない天井が広がっていた。身体を起こせば周りは分からなくて「ここどこ?」状態だ。
「あ、起きた? おはよう、香澄ちゃん」
すると部屋のドアが開き、千晃さんがやってきた。
「お、おはようございますっ」
「良く眠れた? 朝食用意してるから顔洗っておいで」
千晃さんはそう言うと部屋を出て行った。起き上がると、だんだん思い出していく。私、すごく迷惑をかけてしまったんじゃ……。どうしようどうしよう……千晃さんに呆れられて嫌われてしまったら。
不安のまま服に着替えると、リビングでは千晃さんが配膳していた。
「さ、香澄ちゃん座って」
「は、はい……」
私が椅子へ座ると千晃さんも向かい側に座ると、手を合わせ「いただきます」と言ってから食べ始める。トーストにスクランブルエッグ、ソーセージにミネストローネが配膳されていて早速一口食べる。スクランブルエッグはほんのり甘くて美味しいし、ミネストローネはトマトが濃厚でめちゃくちゃ美味しい。
「千晃さんってお料理お得意なんですね」
「うん。料理は好きなんだよね」
千晃さんはそう言うと、スクランブルエッグは甘酒が入ってて砂糖無使用とかミネストローネはコンソメじゃなくて玉ねぎ麹で作ったとか……なんとも料理上級者としか言えないほどの単語が出てきて圧倒されてしまった。
私はやっと初心者から抜け出せたところなのに……。