エリート放射線技師は、ウブな彼女をたっぷりの溺愛で甘やかす。
◇初めて
「今日は一応同居初日だし、一緒にお酒飲まない?」
「はい、大丈夫です」
千晃さんは定時で帰ってきて「ご飯は俺が作るから」と言って一時間もかからず夕食二人分作ってくれた。その後は、交代でお風呂に入って出てきたところだ。
千晃さんは缶ビールをテーブルに二つ並べた。
「じゃあ乾杯」
軽くぶつけると「乾杯」と言って缶の栓を開けてから一口飲んだ。
「香澄ちゃん、もう少しこっち来ない? なんでこんなに離れてるの?」
「……っいや、あの」
「友だちじゃないんだからこっちおいで」
私は頷くと千晃さんの近くに座る。腰を下ろした私は再び、缶に口を付けた。