ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

「次の方どうぞ。」

長蛇の列ではあったが
あっという間に舞達の番になった。

「失礼します。」

そういうと2人は薄暗い部屋へと
足を踏み入れた。

「今日はどうなさいますか？」

杏先生がタロットを広げながら尋ねた。

「…あ、相性を占ってほしいです。」

緊張した声の舞が言った。

「それでは、お二人のお名前と
生年月日を教えてください。」

「脇田克
2000年、11月15日です。」

克が言った。

「若松舞
2000年、6月25日です。」

舞も答える。

克がパッと舞を見た。

「舞、明日じゃん！！！」

「うん。そうだよ。」

「まじか。聞いてないし。」

「…そうだったっけ？」

「言えっつーの。」

「えー！
言うタイミングなかったんだもん。」


「ふふふ。」

２人の掛け合いを聞いて
杏先生が微笑んだ。

「お2人の会話…付き合いたてなんですね。
それにタロットでも、ほら
門出のカードが出ています。
2人で何かをスタートする時
何かを決める時にはいい時期です。

他には…祝福、希望、安らぎ、勇者…
いいカードばかりね。
克さんは、正義感が強く一貫して
物事をやり遂げることができるタイプです。
部活は何かされてるのかな？」

「剣道をやってます。」

「そう。勇者にピッタリ。
これからも必ず結果が出るし
今行っている剣道を軸にこれからの
将来の道筋にも光が差すことでしょう。
ただ、頑張り過ぎることが多いので
時には休息が必要となるから
気をつけておいてください。」

「はい。ありがとうございます。」

「舞さんは…安らぎが強く出ています。
ふふ、頑張りやさんの克さん
勇者タイプに舞さんのタイプはぴったりね。
お互いまだわからないことが
多いようだけど、フィーリングが
ぴったりと感じることはない？
付き合いが短くても、この先この相性は
ずっと続くわ。

ただし、本来持っているタイプは
真逆の性質だから、お互いに思いやりは
必要不可欠。理解できないことは
必ず対話をしあって、解決していけば
大きな問題には発展しないでしょう。」

「はいっ！ありがとうございます。」

少し不安気な顔をしていた
舞の顔が明るくなった。

「あとは、祝福、希望…
あなた達、友人にも凄く
恵まれているみたいね。
この先、何かトラブルがあったとしても
必ず友人が支えとなって
縁を繋いでくれるから、今の関係を
大切にしてください。」

「嬉しいです。ありがとうございます。」

舞がさらにニコニコになる。

それでは先の未来もみてみましょう。
杏先生はそう言うと、タロットを広げ
カードを開いていった。