ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
トクトクトクトクッ

2人の鼓動が重なり合う。

「舞ー、俺たちは大丈夫だよ。
何てったって、俺、勇者だぜ?
怖いものなしじゃね?」

「勇者に釣り合うか不安。」

舞がぼそっと呟く。

「こーんなに大好きなのに?
伝わってない?俺の気持ち。」

克の抱き締める手に少し力が入った。

「そうじゃないけど…
何か…ちょっとでも離れたくないって
思うようになって、独占欲なのかな?
克重くないかな…って心配になった。」

克が舞の頭を撫でる。
大きな手に包み込まれるようで暖かい。

「俺は嬉しいけど?舞の独占欲。」

「本当?」

「うん。だって自分の好きな子が
自分だけを想ってくれてるって凄く
嬉しいことじゃない?
舞もそうじゃないの?」

「うん。」

「それに離れるってやつも
言ってたじゃん?
ちゃんとお互いを信じろって。
どういう理由でそうなるかは
わかんないけどさ
最終は俺たち次第じゃん?
お互い別れたくないって思ってれば
大丈夫だって。」

「うん。そうだね。ありがとう。」

舞がゆっくりと頷いた。
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